リストガーデン オーレリアン深沢
リスト(株)
戸建分譲住宅部門 (小規模)
東急田園都市線 桜新町駅から徒歩 20 分、全 5 棟のプロジェクト。2020 年には全ての住宅に省エネ基準義務化が予定されているが、それよりもさらに厳しい基準である ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)を建売住宅で実現させた意欲的なプロジェクト。基本的な省エネ性能向上と建売住宅仕様のバランスに配慮するなど、ZEH を実現するための様々な制約にチャレンジした苦労の跡がうかがえる。国の省エネ施策を大きく先取りする形で事業化した素晴らしいプロジェクトである。
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事業コンセプト
2020 年に省エネ基準改正を迎えるという話題が飛び交う中、いち早くそのゼロエネルギー住宅をエコハウスで、しかも建売分譲住宅で実現させた最先端のプロジェクト。温熱監修に建築家の竹内昌義氏と、造園監修に造園家の蓑田真哉氏とそれぞれコラボレーションを行った。
注文住宅等とは異なり、建売分譲住宅ならではのパッケージングを推進したが、コスト増加や設計工数増加、また気密施工を始めとした施工工数の増加等、そのバランスの調整に大きく苦心した。今回採用したゼロエネルギーの水準は、関東地方においては実質的にオーバースペック気味である。しかし、2020 年の省エネ基準改正とは別の軸で「真の住まいの快適性」を追求、普及させていくために、関東以西における「快適性とコストとのバランス良い仕様」を検討していくためにも、まずは最高レベルのゼロエネルギーエコハウスを様々な面から実体験する必要があったのである。
多くの企業がゼロネエルギーエコハウスというものに足踏みをする中、「チャレンジしなくては何も前に進まない」という思い、さらには「業界を変えていく」という強い気概が本プロジェクトでは結実したものであると考える。
商品企画
一言で“ ゼロエネルギーエコハウス” と言ってもお客様はさっぱり理解できない。それは想定の範囲内であったので「この家の効果をどう伝えていくか」という部分に細心の注意を払いつつ進めた。
その“表現方法”の重要なキーワードが「健康で快適な暮らし」というものであった。このキーワードにマッチするライフスタイルを設計していくために、エコハウスが持ちうる基本性能の高さはもちろんのこと、外構造園計画においても自然と土地に馴染んでいく“ 素” の力を盛り込んだものとした。
隣接地の緑も考慮し、敷地が狭いことをプラスに転換するために戸境のブロックフェンスは施工せずに一体になるよう配慮。温度感を感じることのできる街並みとなった。
事業成果
本プロジェクトは、社内の理解を得るのに極めて多くの時間を費やした。それは、弊社が「ただ建てて終わり」ではなく、自社にて販売活動まで行うことが大前提にあったことから、ゼロエネルギーエコハウスをどう設計し、建築していくのかというテクニカルな課題から、“お客様にどうわかりやすく伝えていくのか”という理解促進のための大きな課題をも解決していかなければならなかったからである。
しかし、この総合的な動きをとることにより、動き出しにこそ大きな力を必要とするものの、ひとたび動き出せばとてつもない加速力を有する結果を引き出すことができたと考えている。その後多くのメディアに取り上げられたりしたことで社内理解はもちろんのこと、対外的にも多くの評価をいただいた。そして何より、日本の住宅業界における革新的な一石を投じることができたのではないかと体感している。
物件概要
事業主名 | リスト株式会社 |
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現場住所 | 東京都世田谷区深沢5-35-5 |
企画設計 | リスト株式会社 |
施工者名 | リスト株式会社 |
工事竣工 | 平成27年10月28日 |
規模概要
敷地面積 | 94.79~100.48m²(平均96.54m²) |
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延床面積 | 85.28~93.57m²(平均90.91m²) |
構造規模 | 木造2×6工法地上2階建 |
住戸総数 | 5区画 |