本物件はJR京葉線「八丁堀」駅徒歩約3分、東京駅までも2kmの徒歩圏という利便性が高く、都心の中でも希少な計画地に、DINKS・ファミリー層をターゲットとした総戸数46戸の分譲マンション。下記項目にて「利益向上の実現」を目指した。
＜周辺より売値を高く設定＞
①「デザインの独創性」
計画地の記憶からコンセプトを創り込み、ローコストで豊かな表情を創る。エントランスでは空間デザイナー「橋本夕紀夫」を起用。単に高級感を表現するのではなく、和の美の本質を表現。
②「13.5層」の断面計画
高さ38m制限の中で住戸階の階高を確保するため、1階を半地下として各階階高確保。エントランス上部住戸を抜き、4m天井の魅力的なエントランスを創出。
③様々な3LDKプラン
ワイドリビングプラン、全室ウォークインクローゼット付プラン、住戸に隣接した個別自転車置場付プランなど様々な3LDKプランを設定。また、独自のセミオーダーシステムを採用することで分譲マンションでありながら、無料で個々のライフスタイルに対応した間取り、仕様の選択を可能とし、販売時の「選ぶ楽しさ」を売りとした。
④「第2のリビング」としてのバルコニー
リビングとフラットに繋がる木調のバルコニーデッキを設置することで、バルコニーを「第2のリビング」として、新たなライフスタイルを提供。
⑤「低炭素建築物認定」を取得
当時中央区では未だ取得されていなかった低炭素建築物認定を取得することで、商品の省エネ性能を向上させ、エコ意識の高いターゲットに訴求させた。
＜原価の削減＞
⑥「構造計画の創意工夫」
一体型のラーメン構造主体の構造計画ではなく、耐震壁を活かした2棟構成とすることで、躯体原価を約5%削減。
販売はこれまで弊社とともに当エリアにて実績のある㈱グローバル住販に依頼し、弊社企画と一体となった販売戦略を展開することで早期完売を実現。

当時の大名達が美と安らぎの中で暮らすことを目的として創った別邸の暮らしを現代の暮らしに重ねた本物件のコンセプトは「美の離宮」。土地の持つ記憶をコンセプトの主軸とし、デザインに展開した。
外観正面では、同色のタイルを縦横交互に貼り、陰影の差から日本伝統模様の「市松」を浮かび上がらせ、側面では艶のある黄色いタイルを空に向かってグラデーションで貼り分けることで、金色の絹の表情を創り、繊細な和の美意識で包んだ。45二丁タイルのローコスト素材を使い、貼り方の工夫でコストを掛けずに豊かな表情を創出。
エントランスでは、日本伝統の離宮の空間構成である「一の間、二の間、三の間」と続く空間構成を4m 天井を活かしながら現代の形で再構成。それぞれの空間にはアートを施し、これまでのエントランスの空間概念を変え、「美術館」を通って住戸にアプローチするエントランスを実現した。本物の「金箔」を土壁の上に、藤の花のようにグラデーション状に設え、ソファの生地も金箔に合わせるなどきめの細かい配慮を施すことで、ひとつひとつの空間を通過する毎に感動を与える。
本物の金箔は、単なる高級感を表現するのではなく、和の美の本質を表現し、本物志向のターゲット層に訴求する。
住戸内においては、バルコニーに木調デッキを実装し、バルコニーをリビングとフラットに繋げ、「第2 のリビング」空間を創出。

事業成果としては、上記事業コンセプトと商品性、環境配慮の内容により、結果として売値も周辺相場よりも高く設定することができた。
販売も、狙いの商品企画がターゲット層に訴求し、平成26年6月からスタートして平成27年1月に完売することができた。また、低炭素建築物認定を取得することで、省エネに対する貢献度が顧客からも高い評価をいただいた。
また、本物件では3LDKのプランバリエーションを用意し、過去のお客様からのアンケートに基づき創り上げた独自のセミオーダーシステムによって、無料でカラーセレクト、間取りなどを選択できるようにし、自身のライフスタイルに合わせた住まいづくりを愉しんでいただくことでお客様のニーズに適合させながら満足度を向上させることができた。特に、「美術館」を通過動線とするエントランス空間、リビングとフラットに繋がるバルコニーデッキを採用することで、第2のリビング空間を創出し、消費者へ新たなライフスタイルを提供することができた。