本事業においての「新築でも中古でもない、新しい住まい」をコンセプトとした『新しい住まい』とは、新築・中古住宅それぞれの特徴を活かした住宅を意味する。新築住宅では、内外部とも未使用というハード面での魅力があるが、統一された間取りやプランでは、ライフスタイルに合わせた住みやすさのソフト面で満足度の高い住宅でない可能性がある。一方、中古住宅においては、リノベーションによってソフト面での高い満足度が得られても、共用部や建物の改修は容易ではなくハード面に不安が残る可能性がある。この両者のデメリットを補ったのが本物件であり、新築分譲マンション事業とリノベーション事業を展開している弊社ならではの事業である。
事業推進手法においては、リノベーションによって共用部の最新設備への取替えはもちろん外観や植栽にもこだわり、中古建物・住宅特有の「古い」というマイナスイメージの払拭に努めた。また、成約のほとんどが自社販売によるもので、リノベーション事業によって培ってきた営業販売力を活かし販売コストを削減した。

本物件は、中国電力株式会社の協力のもと販売前に全住戸においてエコキュート、IH クッキングヒーターへの取替えを行い、オール電化マンションへリノベーションした。また、毎月の光熱費の試算表や電気プランの案内も合わせて商談時に提案するなど、環境面だけでなく購入者の経済面にも配慮した。
住戸内全ての住設機器も取替え、未改装住戸においてはリノベーションの際に購入者の予算や使い勝手に合わせた住設機器を選んでもらった。希望者には複層ガラスの取替えも行い、防音や断熱対策にも応じた。
リノベーションした未改装住戸においては、本物件の壁式構造を活かし、購入者のライフスタイルや家事動線、住みやすさといった希望を実現したリノベーションを行った。

改装済み住戸・リノベーション用未改装住戸をそれぞれ全10 戸の半数ずつ販売したが、「住宅購入希望者」といっても、ハード面・ソフト面どちらを重視し、どのようなニーズを持っているのかは購入者によって異なっていた。全10 戸と小規模ではあるが、本物件の商品プランはそういった購入者の要望に応えることができ、大規模ではできない住宅の供給、住まいづくりの事業スタイルを実現した。購入者からは、本物件で快適に生活しているといった声を実際にいただいており、本事業は購入者の満足度の高いものであったことを裏付けている。