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ジョイナス新宮 和(なごみ)

九州八重洲㈱

戸建分譲住宅部門 (中規模)

福岡市のベッドタウンにおけるプロジェクト。元々あった茶室をリノベーションし風情ある平屋住宅として残すとともに、新たに建設した7戸の住戸は、日本家屋の美しい屋根、中庭、縁側、格子などを配し、古民家が多く残る歴史的な街並みと見事に調和している。敷地延長のアプローチが長い土地に、駐車スペースと歩行者用通路をうまく配置し、デザイン性も優れている。古い建物を残し、時間と労力をかけて古民家の再生に取り組んだ姿勢が高く評価された。

事業コンセプト

福岡県糟屋郡新宮町に存する国の重要文化財である横大路家住宅(古民家)に近接する戸建プロジェクトです。周辺環境は今もなお古民家が多く存在し、その趣ある風景は新宮町の歴史的街並みを残していると言えます。
一方で、周辺のありきたりな戸建ミニ開発の住宅群によってその景観が保たれていない実情もあり、当該プロジェクトによって歴史的景観を守る建築と景観ルールを事業主自らで作り、現代に蘇る(新)民家と周辺の同等プロジェクト(自社、他社問わず)の指標となる戸建住宅群を完成させ、旧来の街並みや周辺環境に融和する環境を整えた新しい古民家街づくりを目指したものです。

Code1 大屋根 ―― 周辺の古民家に多く見られる「大屋根」の風景を本計画地にも継承し、懐かしさとインパクトのある印象的な街並みを作り出した。また、大屋根の採用によって天井高の高い大きな吹抜けや傾斜した天井など、ダイナミックな空間構造が内部にもたらされた。

Code2 中庭 ―― 「新民家」では伝統的な日本家屋に見られる縁側で囲まれた「中庭」を設けた。光と緑の存在が間近に感じられる中庭を設けることで、季節や時間の移ろいを屋内にいながらでも感じ取ることができ、情緒のある豊かな時を家で過ごすことができる。

Code3 ルーバー ―― ファサードの一部に日本家屋によく見られる木のルーバーを取り入れ、外と内の境界を緩やかにすると同時に、光と影のコントラストで生まれる風情を演出。ルーバーだけでなく使用するマテリアルは影が生まれやすい凹凸感のある素材を多用している。

Code4 カラーコード ―― 周辺の古民家群の壁、屋根、緑、土などに含まれる色を調査・整理し、使用するマテリアルはそのカラーコードに則って色を選択していった。また、時ともに風雨で色褪せた古民家の外観に合わせ、色に濃淡の奥行きのある自然素材を主に使用した。

商品企画

歴史的風景や古民家があった当該地の土地所有者から相談を受けました。広大な土地には一つの古民家と離れの茶室があり、この土地を街の風景や環境を保ちながら次世代に引き継ぎたいという土地所有者の意向でプロジェクトが始まりました。
しかし調査を進めていくと、古民家は白蟻被害が大きく、処分を余儀なくされましたが、茶室は小ぶりながらも十分に現代の住まいとして利用できることから、リノベーションを行いました。
この広大な敷地に、7棟の建設と1棟のリノベーションを行いましたが、建物意匠は落ち着いた大屋根と中庭を取り囲むルーバーというモダンかつ現代の(新)民家として、既存の古民家の色やフォルムのデザイン要素を抽出して街を完成させました。

事業成果

大変美しく、街の資産である重要文化財と古民家が融合する素晴らしい街ですが、現実問題として古民家の所有者が高齢化し建物自体も老朽化しています。相続時には、貴重な建物を失うだけでなく、街の記憶や価値までも失っていくことが非常に問題で、これらの課題を解決するのが地元事業者の我々の責務だと自負しています。この地域では人口増加傾向であるため、安易な戸建開発行為によって歴史ある街並みが大きく変化、崩れていく様をとても見過ごすことはできません。
今回の我々の戸建開発は、新しい現代の民家のルールを定義し、それらを顕在化することで、安易な戸建開発に少し歯止めをかけ、福岡県糟屋郡新宮町の古民家が単体「点」の価値ではなく「群」として捉えられ、景観維持向上さらには、新しい価値観の創造に繋がればよいと考えています。

物件概要

事業主名 九州八重洲株式会社
現場住所 福岡県糟屋郡新宮町大字上府623
企画設計 九州八重洲株式会社
施工者名 九州八重洲株式会社
工事竣工 平成29年7月4日

規模概要

敷地面積 201.30?260.35m²
延床面積 64.91~145.32m²
構造規模 木造軸組工法2階建(一部平屋建)
住戸総数 8区画

戸建分譲住宅部門

中高層分譲住宅部門

不動産関連事業部門

企画・開発部門

リノベーション部門