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株式会社アーバネットコーポレーション

中高層分譲住宅部門 (中規模)PDFダウンロード

ファミリー住戸の附置義務が厳しい板橋区での投資用マンション。当初25㎡のワンルーム住戸49戸、55㎡以上のファミリー住戸18戸で企画したが、ファミリー住戸の価格が高額になるため、25㎡のワンルーム14戸、35㎡以上の1LDK60 戸とし、より高い採算性を生み出した。35㎡タイプではDINKS層を想定し、オープンカウンターキッチン、収納量の大きなウォークインクローゼット、広々とした住空間としても使用できる3連引き戸による居室間の間仕切りなど随所に住まいやすさを追求した間取りを実現している。

事業コンセプト

本物件が所在する板橋区では集合住宅を計画する際、複数の条例等を考慮する必要があり、また令和元年10月1日にワンルームマンション条例が改正・施行されたことにより、ファミリー住戸の附置義務が厳しくなりました。その結果、本物件の当初企画では25㎡のワンルーム住戸が49戸、55㎡以上のファミリー住戸が18戸となり、ワンルーム販売会社に卸した後、55㎡以上の住戸の販売総額が大きくなり販売が難しくなってしまいます。そこで、一般的には投資用ワンルームマンションは25㎡のワンルーム住戸をできるだけ多く作るようにしていましたが、本物件では、あえて25㎡のワンルーム住戸を減らし規制のかからない 35㎡以上の住戸を増やす企画にチャレンジしました。
定められた様々な規制の中で、それらを柔軟に解釈し、事業性と両立して検討を重ねることで、より幅広い事業の選択肢を得ることができれば、より高い採算性を生み出すことができるものと考え、当社の内製化された企画設計部門による企画力を活かし、多様な事業性に則した企画を速やかに立案することで事業の最適解を検証し、本プロジェクトを事業化することといたしました。

商品企画

板橋区の条例等では、35㎡未満の住戸が15戸以上計画されると、総戸数に応じたファミリー住戸(55㎡以上)をたくさん附置する義務が発生します。
そこで条例の適用を受けないようにするため、25㎡のワンルーム住戸を14戸、35㎡以上の1LDKタイプ住戸を60戸、計74戸の企画案とすることで、ワンルーム販売会社に売却することができました。また、こうした条例等が改正された背景として、ワンルームマンションの供給量が多いことに起因していることから、潜在的に需要の多いことが想定される35㎡の DINKS層向けの商品企画を提案することができれば、賃貸需要に対する遡及効果が高いことが分かりました。
一方で、商品の居住性については、本物件で想定される入居者の属性が、単身者だけでなくDINKS 層なども考えられるため、入居者の生活感に配慮した住みやすい間取りから逆算した平面形状を検討したフレーム構成としています。35㎡以上の1LDK住戸は、通常のワンルームより一回り大きな住宅用設備機器を設けています。
そして、ファミリーマンションのようなオープンカウンターキッチンを備え、独立したトイレ、収納量の大きなウォークインクローゼット、広々とした住空間としてもご使用いただけるように、居室間の間仕切りを3連引き戸にするなど、随所に住まいやすさを追求した間取りを計画いたしました。
また、専有部内の限られた空間で収納量を最大限確保するため、これまで設備用配管スペースとしてのみに使用され、多くのデッドスペースとなっていた水廻り部分の天井空間の一部に、当社が独自に開発し実用新案登録を取得した「アッパーキャビネット」を全住戸に設置しております。
その他、各所に用途に応じた収納を確保することで、収納力がアップするよう様々な工夫を施しています。

事業成果

本事業の成果の評価基準として、ロット構成が最大のポイントとなります。
ワンルーム事業においては極力大きい部屋を作らないことが販売単価を上げるポイントとなるため、本事業においては最終的に以下の2パターンで比較検討いたしました。
① 55㎡混在型 25㎡タイプ49戸、55㎡タイプ18戸
② 55㎡非混在型 25㎡タイプ14戸、35㎡タイプ60戸
その結果、ファミリー住戸の附置があるパターン①では販売価格の総額が高額になり販売単価が下がってしまうことから、事業コンセプトで記載のとおり、条例の適用がないコンパクト主体のロット構成としたパターン②の企画で事業化したことにより販売単価を上げることができ、当初企画より高い採算性を実現しました。
また、賃料については、25㎡タイプも 35㎡タイプも賃料単価に大きな差異がないため賃料効率も向上しております。
販売会社の販売進捗については、順調に推移していると報告をいただいております。
上記のとおり、条例に該当させずロット構成を小さくし事業化したことにより、販売単価、賃料単価、販売進捗共に向上することができました。

物件概要

事業主名 株式会社アーバネットコーポレーション
現場住所 東京都板橋区南常盤台1-14-5
企画設計 株式会社陣設計
施工者名 多田建設株式会社東日本第1事業本部
工事竣工 令和3年9月21日

規模概要

敷地面積 1,037.62㎡
延床面積 3,215.68㎡
住戸面積 25.23~41.16㎡
構造規模 RC造地上9階建
住戸総数 74戸

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