目黒区「青葉台」アドレス。プロジェクト原価が上昇する中、収益性確保のためにその立地に高単価設定の可能性が高いコンパクトマンションプロジェクトを計画。
目黒区青葉台は一般的に都心高台邸宅地の由緒あるポジション。
しかし本件は同じ青葉台でも目黒川沿いの低地の位置であり、ミクロ立地としては高台高級住宅街とのギャップが顕在。
一方で本件は「中目黒」駅、「池尻大橋」駅、「代官山」駅3駅を活用でき、東横線・田園都市線・日比谷線・半蔵門線利用でほぼ主要な都心に好アクセスできる立地でもある。
しかしどの駅についても駅近ではないため、高単価の狭小面積のみのコンパクトプランにはその市場評価に大きな懸念を抱いたため、人気エリア中目黒を生活圏とし、そこにふさわしい外観デザインを設え、DINKS主体の実住型コンパクトマンションに指針を変更。これまでにはない単価、商品企画で市場エントリーに挑んだ。

「2021年度グッドデザイン賞」受賞。外観は「面（ソリッドなコンクリートの大壁）」と「線（エッジの効いたセットバック庇）」のコンポジット。
2方道路の歪な敷地形状に、整形でなく接道に沿った計画にすることで伸びやかなファサードデザインを創出した。
①集合住宅の性質上、窓や給気口などで外観デザインの幅が限られる妻面をソリッドなコンクリートの大壁でアーティスティックな表情を創作。
②グリッドデザインとエッジの効いたセットバック庇により周辺低層建築と調和したスカイラインを設定。
③地下を有意義に活用し、プライベートテラスを有するワイドメゾネットにプランニング。上階と下階をクロスさせることでこれまでになかった住空間をプラン。
空間効率を高め個性的な使い勝手を可能にした新空間となった。

これまでの目黒区青葉台の相場は、高台の高面積で高単価高グロスの先行事例の中に、本プロジェクトは【高単価の狭小コンパクト】からプロジェクト計画を始動。
ピン立地の評価、そこに住まう方のニーズ検証、プランや存在感を含めた不動産としての将来的なポテンシャル等をつぶさに検証し、単なるコンパクトマンションからDINKS中心の実住型コンパクトマンションに基本指針を変更。
その結果として、地下住戸以外の地上階については単価500万円を超えるチャレンジプロジェクトではあったが、「反響数」「歩留まり」「販売期間」共に極めて好調に推移し早期完売、高収益での事業収束を見た。
最寄り駅から徒歩10分を超える立地にもかかわらず、「中目黒駅の人気」、「ミクロ立地の静かな住宅街」、「駅からのアプローチの良さ」、「都心への良好アクセス」、「商品デザイン」、「独創的な間取りプラン」と「内装グレードの高さ」など、DINKS及び単身者にとっての実住性能や将来的な資産価値について、様々な点が総合的に高く評価され、想定したニーズを着実に吸引し、事業期間、経費、収益などで事前想定を大きく上回る結果を得るに至った。