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上半期の発売戸数は首都圏・近畿圏共に大幅に増加
~不動産経済研究所、上半期と6月の新築マンション市場

 不動産経済研究所は、2021年上半期(1~6月)と6月の「首都圏・近畿圏の新築マンション市場動向」をまとめた。
 首都圏(1都3県・5エリア=東京都[東京23区、東京都下]、神奈川県、埼玉県、千葉県)の上半期の発売戸数は1万3277戸で、最初の緊急事態宣言中に発売が大きく落ち込んだ前年上半期(7489戸)と比べ77.3%増で、上半期としては3年ぶりに増加し、2019年上半期(1万3436戸)以来の1万3000戸台となった。エリア別では、東京23区5816戸(前年同期比51.3%増)、東京都下963戸(同26.5%増)、神奈川県3566戸(同129.5%増)、埼玉県1303戸(同161.6%増)、千葉県1629戸(同96.0%増)と、全てのエリアで増加し、中でも神奈川県と埼玉県は倍以上伸ばしている。東京23区のシェアは43.8%で前年同期比7.5ポイント(P)のダウン。東京都全域では6779戸、シェア51.1%で、前年同期に比べ戸数は2173戸の増加となり、シェアは10.4Pダウンしている。初月契約率の平均は72.5%で、前年同期比4.2Pアップし、上半期としては2015年上半期(76.1%)以来6年ぶりの70%台となった。累積契約率は85.4%で同9.3Pアップしている。
 近畿圏(2府4県・9エリア=大阪府[大阪市部、大阪府下]、兵庫県[神戸市部、兵庫県下]、京都府[京都市部、京都府下]、滋賀県、奈良県、和歌山県)の上半期の発売戸数は、前年同期比58.0%増の8373戸で、6年連続で1万戸を下回った。エリア別では、大阪市部2963戸(前年同期比22.5%増)、大阪府下1925戸(同97.0%増)、神戸市部1149戸(同105.5%増)、兵庫県下1187戸(同145.2%増)、京都市部690戸(同230.1%増)、京都府下87戸(前年同期0戸)、奈良県51戸(前年同期比80.1%減)、滋賀県280戸(同3.3%増)、和歌山県41戸(同67.2%減)。奈良県と和歌山県以外のエリアが増加した。初月契約率の平均は前年同期比2.5Pアップの73.0%で、上半期としては11年連続で好調ラインの70%を上回った。

《首都圏・上半期の市場》
[価格の動向]
◇戸当たり平均価格6414万円(前年同期比3.9%下落)
◇m2単価96.2万円(同6.7%下落)。上半期としては平均価格、m2単価共に9年ぶりの下落となった。

[エリア別の価格の動向]
◇東京23区=平均価格8041万円(前年同期比1.8%下落)、m2単価127.3万円(同3.9%下落)
◇東京都下=平均価格5388万円(同1.1%下落)、m2単価78.5万円(同3.2%下落)
◇神奈川県=平均価格5438万円(同5.5%上昇)、m2単価79.1万円(同0.1%下落)
◇埼玉県=平均価格4932万円(同0.1%上昇)、m2単価71.6万円(同1.8%下落)
◇千葉県=平均価格4535万円(同2.2%下落)、m2単価63.4万円(同0.2%上昇)。
東京23区と東京都下が平均価格、m2単価ともに下落している。

[販売在庫の状況]6月末時点の在庫は6395戸で前年同月末比992戸の減少となり、2年連続で減少した。
[下半期の発売予測]下半期(7~12月)の発売戸数は1万9000戸前後で、前年同期の1万9739戸と比べると3.7%減となる見通し。2021年年間の戸数は約3万2000戸となり、2020年の2万7228戸と比べ17.5%増加し、2年ぶりの3万戸台になる見込み。

《近畿圏・上半期の市場》
[価格の動向]
◇戸当たり平均価格4360万円(前年同期比8.3%上昇)
◇m2単価73.3万円(同7.8%上昇)。平均価格、m2単価共に4年連続の上昇。㎡単価は上半期としては1973年の調査開始以来最高値。

[エリア別の価格動向]
◇大阪市部=平均価格4220万円(前年同期比16.8%上昇)、m2単価82.8万円(同4.2%上昇)
◇大阪府下=平均価格4726万円(同2.4%上昇)、m2単価65.0万円(同3.0%上昇)
◇神戸市部=平均価格3579万円(同7.6%下落)、m2単価77.0万円(同29.0%上昇)
◇兵庫県下=平均価格5123万円(同4.3%上昇)、m2単価71.0万円(同4.0%上昇)
◇京都市部=平均価格4198万円(同6.4%下落)、m2単価82.7万円(同17.1%上昇)
◇京都府下=平均価格4702万円(前年同期は発売なし)、m2単価61.8万円(同)
◇奈良県=平均価格4333万円(同2.8%上昇)、単価56.5万円(同0.5%下落)
◇滋賀県=平均価格3691万円(同7.3%下落)、㎡単価53.4万円(同1.8%下落)

[販売在庫の状況]6月末時点の在庫は3484戸で前年同月末比663戸の増加。
[下半期の発売予測]下半期(7~12月)の発売戸数は約9500戸を予測しており、2021年年間では1万8000戸程度を見込んでいる。

《首都圏・6月の市場》
[発売戸数]1939戸(前年同月比25.7%増)。7か月連続のアップ。エリア別では◇東京23区861戸(同17.9%増)◇東京都下150戸(同11.9%増)◇神奈川県418戸(同132.2%増)◇埼玉県208戸(同201.4%増)◇千葉県302戸(同29.8%減)。千葉県のみが減少し、その他のエリアは軒並み増加している。[契約率]新規発売に対する契約戸数は1406戸で、初月契約率は72.5%。前年同月比では0.7Pダウンしたものの2か月ぶりの70%台となった。エリア別では、東京23区、神奈川県、千葉県の3エリアが70%台に乗せている。

[価格の動向]◇戸当たり平均価格6211万円(前年同月比2.8%下落)◇㎡単価94.2万円(同2.8%下落)。平均価格、m2単価共に2か月連続のダウン。エリア別では、埼玉県の平均価格とm2単価が上昇した一方、東京23区、東京都下はいずれも下落している。
[即日完売など]即日完売は2物件・37戸(シェア1.9%)。フラット35登録物件戸数は1850戸(同95.4%)。
[販売在庫の状況]6月末時点の在庫は6395戸で前月末比394戸減。
[7月の発売予測]2000戸前後の発売を見込んでいる。

《近畿圏・6月の市場》
[発売戸数]1731戸(前年同月比23.0%増)。6か月連続で前年実績を上回った。エリア別では◇大阪市部614戸(同0.7%増)◇大阪府下435戸(同131.4%増)◇神戸市部276戸(同32.2%減)◇兵庫県下118戸(同53.2%増)◇京都市部109戸(同98.2%増)◇京都府下14戸(前年同月0戸)◇奈良県10戸(前年同月比52.4%減)◇滋賀県153戸(同750.0%増)◇和歌山県2戸(同93.5%減)。
[契約率]初月契約率は73.2%。前年同月比2.8Pアップし、2か月連続で70%を上回った。
[価格の動向]◇戸当たり平均価格4572万円(前年同月比26.7%上昇)◇m2単価73.2万円(同14.4%上昇)。平均価格は2か月ぶりのアップ、m2単価は3か月連続のアップ。
[販売在庫の状況]6月末時点の在庫は3484戸で前月末比46戸増。[7月の発売予測]1200戸程度となる見通し。

〔URL〕https://www.fudousankeizai.co.jp/mansion
【問合先】企画調査部 03―3225―5301