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全住協リーダーに聞く~協会の課題と指針 (7)九州住宅産業協会 橋本大輔理事長



九州住宅産業協会 橋本大輔理事長

 住宅・不動産業界紙2紙による特別企画「全住協リーダーに聞く~協会の課題と指針」より、全住協を構成する全国の主要団体長と主要委員会の委員長のインタビューを随時掲載いたします。今回は、九州住宅産業協会(九住協)の橋本大輔理事長((株)ファミリー代表取締役)。市場動向や運営方針などを聞きました。

―協会の成り立ちと特色は
 「1962年に九州宅地造成協会として設立され、名称変更や組織改編を経て、今年で59期目を迎える。現在の会員数は156社。特色としては協会活動活性化や業務執行迅速化のため、8つの部会(総務、政策企画、金融税務、研修広報、組織、戸建、マンション、アセットマネジメント)を設け、積極的に活動していること。会員企業の7割がいずれかの部会に所属している」

―エリアの状況について。特に福岡市内は今、再開発ラッシュの様相だが
 「現在、国家戦略特区を活用した天神ビッグバン、博多コネクティッド、ウォーターフロントネクスト、箱崎九大跡地再開発、青果市場跡地再開発など再開発計画が多数控えている。また、新型コロナウイルス感染拡大を受け、市では新たに〝感染症対応シティ〟を目指し、ビルの建替え時に換気や非接触など感染対策を講じた事業にはさらに容積率を緩和する政策を打ち出している。ピンチをチャンスと捉えることで街づくりは盛り上がるのではないか。また、2020年5月には市の推計人口が160万人を超えた。これは政令指定都市では5都市目だ。さらに若者人口の比率も高い。人口増に加えて、再開発による雇用、経済の発展への期待感が街の賑わいをもたらしていると考える」

―政府の国際金融拠点構想の候補地だ
 「2020年9月、福岡市や地元企業など産官学で外資系金融機関の誘致を目指す組織が発足した。アジア各国への地理的近さを強みの1つとして、政府の税制優遇に加え、外国人材の受入れ環境の整備を検討していると聞く。福岡が選定された暁には、都市のポテンシャルにアジア経済のエネルギーが加わることで、一層ダイナミックな都市に発展していくのではないか。九州の住宅産業の一端を担う立場として、行政と気持ちを1つにして支援をしていきたい」
 
―現在の住宅市場をどう見ているのか
 「低金利が大きな支えとなり、全体的には分譲マンション、戸建住宅共に販売は好調だ。ただ、どんな物件でも売れている訳ではない。コロナ禍により、社会、経済が甚大な被害を受ける一方で、外出自粛や生活様式の変化で、顧客の住宅への関心が高まっているようにも感じる。変化するニーズをつかみ、顧客に受け入れられる商品企画をしていくのが我々の仕事だ」

―最近の協会活動について
 「会員の資質向上と情報交換を目的に、研修会や講演会の開催、宅建士などの受験対策講習を実施している。また昨年から、不動産業界の法律業務を専門とする法律事務所と団体顧問契約を締結し、会員企業が協会を通さず自由に相談できる体制を整備した。簡単な質問ならばすぐに回答してもらえ、よく利用されているようだ。また、3年前から、九住協のブランドを高めたいと考え、年に1回、地元紙に広告を出している。安心して不動産取引できる団体であることを消費者や地域に知ってもらいたい」

―行政との連携をどう考える
 「〝企業と行政との橋渡し役〟が役割の1つだと考える。現在も福岡県では空き家活用サポートセンターを通じて空き家の活用や相談、専門事業者とのマッチングに取り組んでいる。当協会を介して行政と企業の連携を強めることができれば空き家問題に対してより良いアプローチができるのではないか」

―今後の抱負を
 「コロナ禍でやや先行き不透明な状況となっているが、行政と連携して九州の住宅業界を発展させ、それらを通じて九州の街と人を豊かにするという目的のもと邁進していく。まずは各部会を活性化して会員にとって魅力のある会にし、その輪を広げていくことだ。それがひいては業界の発展、地域社会の発展につながる。ディベロッパーだけでなく、住宅・不動産業に関連する様々な業種の会員が加盟しているため、どの会員にも有意義な情報やサービスを提供できるよに知恵を絞っていく」