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宅地造成及び特定盛土等規制法(盛土規制法)の一部を改正する法律について

 盛土規制法の一部を改正する法律が可決成立した。法律の概要は以下のとおりです。

1.背景・必要性
 危険な盛土等を全国一律の基準で包括的に規制する法制度が必要
(1) 盛土をめぐる現状
 ①静岡県熱海市で大雨に伴って盛土が崩落し、土石流が発生
  →甚大な人的・物的被害(令和3年7月)
 ②盛土の総点検において、点検が必要な箇所は約3.6万か所(11月末暫定集計)。
(2) 現行制度上の課題
 宅地の安全確保、森林機能の確保、農地の保全等を目的とした各法律により開発を規制
 →各法律の目的の限界等から盛土等の規制が必ずしも十分でないエリアが存在(一部の地方公共団体では条例を制定して対応)

2.法案の概要
 盛土等による災害から国民の生命・身体を守るため、「宅地造成等規制法」を法律名・目的も含めて抜本的に改正し、土地の用途(宅地、森林、農地等)にかかわらず、危険な盛土等を全国一律の基準で包括的に規制
 ※法律名を「宅地造成及び特定盛土等規制法」に改正。通称“盛土規制法”
 ※国土交通省・農林水産省による共管法とし、両省が緊密に連携して対応
(1) 国土交通大臣及び農林水産大臣は、盛土等に伴う災害の防止に関する基本方針を策定
(2) スキマのない規制
 ①規制区域
  都道府県知事等が、盛土等により人家等に被害を及ぼし得る区域を規制区域として指定⇒市街地や集落、その周辺など、人家等が存在するエリアについて、森林や農地を含めて広く指定。市街地や集落等からは離れているものの、地形等の条件から人家等に危害を及ぼし得るエリア(斜面地等)も指定
 ②規制対象
  規制区域内で行われる盛土等を都道府県知事等の許可の対象に※宅地造成等の際の盛土だけでなく、単なる土捨て行為や一時的な堆積についても規制
(3) 盛土等の安全性の確保
 ①許可基準
  盛土等を行うエリアの地形・地質等に応じて、災害防止のために必要な許可基準を設定
 ②中間検査・完了検査
  許可基準に沿って安全対策が行われているかどうかを確認するため、施工状況の定期報告、施工中の中間検査及び工事完了時の完了検査を実施
(4) 責任の所在の明確化
 ①管理責任
  盛土等が行われた土地について、土地所有者等が常時安全な状態に維持する責務を有することを明確化
 ②監督処分
  災害防止のため必要なときは、土地所有者等だけでなく、原因行為者に対しても、是正措置等を命令
(5) 実効性のある罰則の措置
  罰則が抑止力として十分機能するよう、無許可行為や命令違反等に対する懲役刑及び罰金刑について、条例による罰則の上限(懲役2年以下、罰金100万円以下)より高い水準に強化
3.目標・効果
 危険な盛土等を包括的に規制し、盛土等に伴う災害を防止。
 (KPI)規制区域を指定する都道府県等(都道府県、政令市、中核市)の数⇒施行後5年以内に全都道府県等

●国土交通省ホームページ
[URL]https://www.mlit.go.jp/report/press/toshi06_hh_000077.html