不動産経済研究所は、2023年上半期(1～6月)と6月の｢首都圏・近畿圏の新築分譲マンション市場動向｣をまとめた。
　首都圏(1都3県・5エリア＝東京都[東京23区、東京都下]、神奈川県、埼玉県、千葉県)の上半期の発売戸数は1万502戸で、前年同期(1万2712戸)と比べ2210戸(17.4％)減少し、上半期としては2年連続でダウンした。エリア別では、東京23区4902戸(前年同期比9.0％減)、東京都下834戸(同18.5％減)、神奈川県1954戸(同36.3％減)、埼玉県1295戸(同23.1％減)、千葉県1517戸(同2.3％減)で、全てのエリアが減少した。東京23区のシェアは46.7％で、前年同期の42.4％から4.3ポイント(Ｐ)のアップ。また、東京都全域では5736戸、シェア54.6％で、前年同期の6409戸、シェア50.4％に比べ、戸数は673戸減少したが、シェアは4.2Ｐアップしている。初月契約率の平均は72.7％で、前年同期の72.1％と比べると0.6Ｐアップし、上半期としては3年連続の70％台となった。累積契約率は84.0％で、前年同期比では2.1Ｐダウンした。
　近畿圏(2府4県・9エリア＝大阪府[大阪市部、大阪府下]、兵庫県[神戸市部、兵庫県下]、京都府[京都市部、京都府下]、滋賀県、奈良県、和歌山県)の上半期の発売戸数は、前年同期比15.9％減の6075戸で、8年連続で1万戸を下回った。エリア別では、大阪市部2679戸(前年同期比5.2％減)、大阪府下952戸(同40.8％減)、神戸市部637戸(同9.6％減)、兵庫県下530戸(同10.6％減)、京都市部454戸(同42.2％減)、京都府下240戸(同80.5％増)、奈良県190戸(同37.7％増)、滋賀県363戸(同8.6％減)、和歌山県30戸(同28.6％減)。京都府下と奈良県以外のエリアで減少となった。初月契約率の平均は前年同期比4.1Ｐダウンの67.8％で、上半期としては13年ぶりに好調ラインの70％を下回った。

《首都圏・上半期》
[価格の動向]
◇戸当たり平均価格8873万円(前年同期比36.3％上昇)
◇m2単価132.1万円(同35.2％上昇)。
上半期としては平均価格、m2単価共に2年連続のアップとなり、過去最高値を大幅に更新した。

[エリア別の価格の動向]
◇東京23区＝平均価格1億2962万円(前年同期比60.2％上昇)、m2単価192.4万円(同51.5％上昇)
◇東京都下＝平均価格5609万円(同3.5％上昇)、m2単価84.6万円(同7.9％上昇)
◇神奈川県＝平均価格5748万円(同7.6％上昇)、m2単価86.9万円(同6.8％上昇)
◇埼玉県＝平均価格5019万円(同14.7％下落)、m2単価77.2万円(同8.0％下落)
◇千葉県＝平均価格4766万円(同0.8％上昇)、m2単価67.9万円(同5.1％上昇)。
埼玉県以外のエリアが平均価格、m2単価共に上昇している。

[販売在庫の状況]6月末時点の在庫は4951戸で、前年同月末の5072戸に比べ121戸の減少となり、4年連続で減少している。

[下半期の発売予測]下半期(7～12月)の発売戸数は2万戸前後となる見通しで、前年同期の1万6857戸と比べると18.6％増える予測。2023年年間の戸数は約3万戸となり、2022年の2万9569戸と比べ1.5％増加し、2年ぶりの3万戸台になる見込み。

《近畿圏・上半期》
[価格の動向]
◇戸当たり平均価格4774万円(前年同期比6.0％上昇)
◇m2単価78.7万円(同2.6％上昇)。平均価格、m2単価共に6年連続のアップ。m2単価は上半期としては1973年の調査開始以来の最高値。

[エリア別の価格動向]
◇大阪市部＝平均価格4543万円(前年同期比1.2％下落)、m2単価89.0万円(同4.5％下落)
◇大阪府下＝平均価格5249万円(同18.1％上昇)、m2単価72.5万円(同10.5％上昇)
◇神戸市部＝平均価格4680万円(同48.7％上昇)、m2単価82.4万円(同14.3％上昇)
◇兵庫県下＝平均価格5201万円(同15.8％上昇)、m2単価71.8万円(同10.6％上昇)
◇京都市部＝平均価格5364万円(同2.8％下落)、m2単価88.9万円(同3.9％上昇)
◇京都府下＝平均価格4811万円(同12.0％上昇)、m2単価64.5万円(同13.4％上昇)
◇奈良県＝平均価格4583万円(同2.8％上昇)、m2単価61.5万円(同3.0％下落)
◇滋賀県＝平均価格4179万円(同9.5％下落)、m2単価57.2万円(同4.0％下落)
◇和歌山県＝平均価格3936万円(同3.8％上昇)、m2単価54.3万円(同3.0％上昇)。

[販売在庫の状況]6月末時点の在庫は3281戸で前年同月末比302戸の減少。

[下半期の発売予測]下半期(7～12月)の発売戸数は約1万1000戸を予測しており、2023年年間では1万7000戸程度を見込んでいる。

《首都圏・6月》
[発売戸数]1906戸(前年同月比0.4％減)。ほぼ横ばいながら、前年同月比で8か月連続の減少。エリア別では◇東京23区952戸(同36.4％増)◇東京都下59戸(同3.3％減)◇神奈川県420戸(同32.3％減)◇埼玉県165戸(同50.7％減)◇千葉県310戸(同55.8％増)。東京23区と千葉県が大幅に伸ばした一方、その他のエリアは減少。

[契約率]新規発売に対する契約戸数は1292戸で、初月契約率は67.8％。前年同月(67.6％)との比較では0.2Ｐアップしたが、5か月ぶりに70％台を下回った。

[価格の動向]
◇戸当たり平均価格6550万円(前年同月比1.6％上昇)
◇m2単価104.1万円(同4.5％上昇)。
平均価格、m2単価共に4か月連続のアップとなった。エリア別では、東京都下、神奈川県、千葉県が平均価格とm2単価共に上昇している。

[即日完売など]即日完売物件は3物件・16戸(シェア0.8％)。フラット35登録物件戸数は1706戸(同89.5％)。

[販売在庫の状況]6月末時点の在庫は4951戸で、前月末の4936戸に比べ15戸増加している。

[7月の発売予測]3000戸前後の発売を見込んでいる。

《近畿圏・6月》
[発売戸数]1384戸(前年同月比9.8％増)。3か月ぶりに前年実績を上回った。エリア別では◇大阪市部708戸(同33.8％増)◇大阪府下213戸(同6.6％減)◇神戸市部60戸(同106.9％増)◇兵庫県下119戸(同124.5％増)◇京都市部125戸(同41.3％減)◇京都府下8戸(同63.6％減)◇奈良県11戸(同86.6％減)◇滋賀県137戸(同95.7％増)◇和歌山県3戸(同91.4％減)。

[契約率]初月契約率は75.6％。前年同月比5.3Ｐアップ。3か月ぶりに好調ラインの70％を上回った。

[価格の動向]
◇戸当たり平均価格4260万円(前年同月比3.7％下落)
◇m2単価79.9万円(同6.5％上昇)。
平均価格は3か月ぶりのダウン、m2単価は2か月ぶりのアップ。m2単価は、6月としては、1973年の調査開始以来の最高値。

[販売在庫の状況]6月末時点の在庫は3281戸で前月末比124戸の減少。

[7月の発売予測]1500戸程度となる見通し。

〔ＵＲＬ〕https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/554/s2023-16.pdf (首都圏・上半期)
〔ＵＲＬ〕https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/553/k2023-16.pdf (近畿圏・上半期)
〔ＵＲＬ〕https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/556/Sab68q2.pdf (首都圏・6月)
〔ＵＲＬ〕https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/555/Iab68q2.pdf (近畿圏・6月)

【問合先】調査部門 03―3225―5301