令和6年新年賀会を開催 ―会員、来賓など700名で新年を祝う―
当協会は1月9日、ホテルニューオータニにおいて「令和6年新年賀会」を開催した。冒頭の馬場会長の挨拶に続き、菅前内閣総理大臣など多数の来賓の方々より祝辞をいただいた(以下に馬場会長挨拶並びに斉藤国土交通大臣祝辞要旨を掲載)。当日は、国会議員、官公庁、友好団体関係者、当協会会員など約700名が参加し、新年を祝った。
[馬場会長挨拶]
明けましておめでとうございます。全国からご参集の会員はもとより、国会議員の先生方、政府関係機関、友好団体の皆様など、本当に多くの方々とご一緒に新年をお迎えすることができますことを心からお慶び申し上げます。
令和6年は、新年早々から臨時ニュースが飛び交う騒乱のうちに始まりました。能登半島では今なお余震が続いている中で懸命の作業が続けられております。被災された多くの方々には心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。当協会としては、可能な限りの復興支援にお応えしていくことを先の理事会で決議したところです。
さて、令和6年度に向けた税制改正では住宅ローン減税、住宅取得資金等に係る贈与税の非課税措置、新築住宅に係る固定資産税の減額措置の拡充・延長など、住宅・不動産関連団体が歩調を合わせて要望していた事項が盛り込まれました。国土交通省の方々のご尽力は言うまでもなく、何といっても本日ご出席いただきました多くの国会議員の先生方に大きな声を上げてご支援いただいた賜物です。この場をお借りして深く感謝申し上げます。とりわけ、面積要件緩和の継続は当協会の悲願でもあり、当初は掟破りとも言われた厳しい局面からの始まりではありましたが、何とか1年の延長措置までこぎつけることができました。所得の伸び悩みにより取得能力が低下している若年層、子育て世帯の背中を後押しするということが究極の目的であり、我々としてはしっかりとした実績を上げる責務があると思っています。
ところで、民間の分譲マンションが本格的に普及し始めてから60年が経過しました。現時点でのマンションストックは700万戸、1世帯平均2.2人を掛け合わせますとおよそ1,500万人、都心部だけを見てみますと4人に1人がマンションに居住しているという状況です。残念ながら築年数40年を超える約130万戸につきましては、構造性能、省エネ性能だけでなく、修繕の積立金・管理費不足など致命的な欠陥もあり、空き室の問題も社会的問題として顕在化しています。客観的には建替えが必須であるとしても、これまでの建替え実績は昨年の3月時点でわずかに282件です。区分所有という特殊な権利関係が最大の障壁であることから、法制等の積極的な見直しが検討されています。このような中で、昨年末自民党内に「次世代を見据えた良質な新しいマンションの供給を推進する議員連盟」が立ち上がりました。老朽マンションの対策はもとより、これからのマンション供給につきましても権利関係のあり方を含めて研究するという趣旨で設立されたものと伺っておりまして、宮沢税調会長をトップに多くの国会議員の先生方にご参加をいただき、現場に則した問題提起と新たな政策の実現に貢献していただけることを心から期待しております。当協会としては組織を挙げてより多くの先生方にご参加いただけるように働きかけを行い、今後の税制改正を始め住宅事業の環境改善と市場の活性化に貢献していただけるよう精一杯支援をさせていただきたいと思います。
結びになりますが、漢書によりますと干支に書かれた「辰」という文字には「振う」という意味と同時に「整う」という意味が込められており、甲辰の年は、「陽気が動いて万物が振動し、その後には草木もよく成長して形が整う」とされています。年初に起きた事態を克服し、1日でも早く閉塞社会に活気が蘇ることを期待しております。同じ年回りに当たる60年前の1964年には第18回の東京オリンピックが開催され、日本が近代化に向けて大きく飛躍するきっかけとなりました。今年の7月にもセーヌ川での開会式から始まる、文字通りの文化とスポーツの祭典がフランス・パリを舞台にして始まります。国際情勢厳しい中、世界中にもう一度平和と繁栄の理念が蘇ることを期待し、併せて皆様方のますますのご発展とご健勝をご祈念申し上げます。
最後になりましたが、本年もまた会員並びに関係の方々のご支援とご協力をお願い申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。本日はご参集いただきまして本当にありがとうございます。
[斉藤国土交通大臣祝辞(豊嶋住宅総合整備課長代読)]
馬場会長を始め、本日ご出席の皆様におかれましては日頃より国土交通行政に格別のご理解・ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
まず、1月1日に発生しました令和6年能登半島地震により亡くなられた方々とそのご家族に対し心よりお悔やみを申し上げるとともに、被災された全ての方々に心からお見舞いを申し上げます。
住宅価格が高騰し、住宅ローン金利も上昇する現下の経済情勢におきまして、子育て世帯などが良質な住宅を取得しやすい環境をつくることは非常に重要な課題です。こうした中、令和6年度税制改正ではご要望いただいていた住宅ローン減税の拡充などが税制改正大綱に盛り込まれました。具体的には、住宅ローン減税については床面積要件を40㎡以上とする緩和措置が令和6年末まで延長されるとともに、借入限度額についても子育て世帯・若者夫婦世帯については維持されることとなりました。これも皆様方の力強いご支援のおかげであり、深く感謝いたします。また、令和5年度補正予算で創設しました子育てエコホーム支援事業などにより、子育て世帯などによる住宅取得をしっかりと支えてまいります。一方で、高齢化や老朽化に伴う住宅ストックへの対応も課題です。昨年12月に改正空き家法が施行となり、空き家の除却に加え、有効活用や適切な管理の確保などに向け総合的に施策を推進してまいります。マンションにつきましては法務省において区分所有法制の見直しが進められており、国土交通省においても管理や修繕、再生の観点から必要な施策の具体化に向けた検討を進めます。これらの施策の推進には皆様方のご協力が不可欠です。引き続きご支援・ご協力をお願い申し上げます。
結びに、被災地の1日も早い復旧・復興と貴協会のますますのご発展、本日ご出席の皆様のご健勝・ご活躍を祈念いたしまして私の挨拶とさせていただきます。