mainvisual

上半期の発売戸数は首都圏13.7%減、近畿圏5.5%増~不動産経済研究所、上半期と6月の新築マンション市場

 不動産経済研究所は、2024年上半期(1~6月)と2024年6月の「首都圏・近畿圏の新築分譲マンション市場動向」をまとめた。

 首都圏(1都3県・5エリア=東京都[東京23区、東京都下]、神奈川県、埼玉県、千葉県)の上半期の発売戸数は9066戸で、前年上半期(1万502戸)と比べ1436戸(13.7%)減少し、上半期としては3年連続のダウンとなり、2020年上半期(7489戸)以来4年ぶりに1万戸を下回った。エリア別では、東京23区3319戸(前年同期比32.3%減)、東京都下877戸(同5.2%増)、神奈川県2162戸(同10.6%増)、埼玉県891戸(同31.2%減)、千葉県1817戸(同19.8%増)と、東京都下、神奈川県、千葉県が増加した一方、東京23区と埼玉県は共に3割減と落ち込んでいる。東京23区のシェアは36.6%で、前年同期の46.7%から10.1ポイント(P)のダウン。また、東京都全域では4196戸、シェア46.3%で、前年同期の5736戸、シェア54.6%に比べ、戸数は1540戸減少し、シェアも8.3Pダウンしている。初月契約率の平均は67.0%で、前年同期の72.7%と比べると5.7Pダウンし、上半期としては4年ぶりに70%台を下回った。累積契約率は80.5%で、前年同期比3.5Pダウンしている。

 近畿圏(2府4県・9エリア=大阪府[大阪市部、大阪府下]、兵庫県[神戸市部、兵庫県下]、京都府[京都市部、京都府下]、滋賀県、奈良県、和歌山県)の上半期の発売戸数は、前年同期比5.5%増の6410戸で、9年連続で1万戸を下回った。エリア別では、大阪市部1999戸(前年同期比25.4%減)、大阪府下1991戸(同109.1%増)、神戸市部535戸(同16.0%減)、兵庫県下510戸(同3.8%減)、京都市部922戸(同103.1%増)、京都府下102戸(同57.5%減)、奈良県60戸(同68.4%減)、滋賀県185戸(同49.0%減)、和歌山県106戸(同253.3%増)。多くのエリアで減少となったものの、大阪府下と京都市部が大幅に増加し、全体では増加となった。初月契約率の平均は前年同期比6.3Pアップの74.1%で、上半期としては2年ぶりに好調ラインの70%を上回った。

《首都圏・上半期》
[価格の動向]
◇戸当たり平均価格7677万円(前年同期比13.5%下落)

◇m2単価115.7万円(同12.4%下落)。
上半期としては平均価格、m2単価共に3年ぶりのダウンとなっている。

[エリア別の価格の動向]
◇東京23区=平均価格1億855万円(前年同期比16.3%下落)、m2単価172.6万円(同10.3%下落)
◇東京都下=平均価格5704万円(同1.7%上昇)、m2単価85.1万円(同0.6%上昇)
◇神奈川県=平均価格6188万円(同7.7%上昇)、m2単価93.0万円(同7.0%上昇)
◇埼玉県=平均価格5161万円(同2.8%上昇)、m2単価77.0万円(同0.3%下落)
◇千葉県=平均価格5831万円(同22.3%上昇)、m2単価81.3万円(同19.7%上昇)。
東京23区が平均価格、m2単価共に2桁下落となった一方、東京都下、神奈川県、千葉県は上昇している。

[販売在庫の状況]6月末時点の在庫は5418戸で、前年同月末の4951戸に比べ467戸の増加となり、5年ぶりに増加している。

[下半期の発売予測]下半期(7~12月)の発売戸数は1.9万戸前後で、前年同期の1万6371戸と比べると16.1%増となる予測。2024年年間の戸数は約2.8万戸で、2023年の2万6873戸と比べ4.2%増加する見込み。

《近畿圏・上半期》
[価格の動向]
◇戸当たり平均価格5813万円(前年同期比21.8%上昇)
◇m2単価94.2万円(同19.7%上昇)。
平均価格、m2単価共に7年連続のアップ。平均価格、m2単価共に上半期としては1973年の調査開始以来の最高値を更新。

[エリア別の価格動向]
◇大阪市部=平均価格7430万円(前年同期比63.5%上昇)、m2単価123.7万円(同39.0%上昇)
◇大阪府下=平均価格4810万円(同8.4%下落)、m2単価74.1万円(同2.2%上昇)
◇神戸市部=平均価格4540万円(同3.0%下落)、m2単価96.3万円(同16.9%上昇)
◇兵庫県下=平均価格6165万円(同18.5%上昇)、m2単価83.6万円(同16.4%上昇)
◇京都市部=平均価格5630万円(同5.0%上昇)、m2単価104.1万円(同17.1%上昇)
◇京都府下=平均価格4643万円(同3.5%下落)、m2単価61.4万円(同4.8%下落)
◇奈良県=平均価格4876万円(同6.4%上昇)、m2単価67.7万円(同10.1%上昇)
◇滋賀県=平均価格4274万円(同2.3%上昇)、m2単価57.1万円(同0.2%下落)
◇和歌山県=平均価格4819万円(同22.4%上昇)、m2単価67.7万円(同24.7%上昇)。

[販売在庫の状況]6月末時点の在庫は2651戸で前年同月末比630戸の減少。

[下半期の発売予測]下半期(7~12月)の発売戸数は約1万戸を予測しており、2024年年間では1万6500戸程度を見込んでいる。

《首都圏・6月》
[発売戸数]1662戸(前年同月比12.8%減)。前年同月比で3か月連続の減少。エリア別では、◇東京23区594戸(同37.6%減)
◇東京都下72戸(同22.0%増)、◇神奈川県317戸(同24.5%減)、◇埼玉県157戸(同4.8%減)、◇千葉県522戸(同68.4%増)。東京都下が2割増、千葉県が6割増と伸ばした一方、埼玉県が微減、東京23区が3割減、神奈川県が2割減となっている。

[契約率]新規発売に対する契約戸数は1103戸で、初月契約率は66.4%。前年同月(67.8%)との比較では1.4Pダウンとなり、3か月連続で70%台を下回った。

[価格の動向]
◇戸当たり平均価格8199万円(前年同月比25.2%上昇)

◇m2単価121.8万円(同17.0%上昇)。平均価格は4か月ぶり、m2単価は2か月ぶりのアップとなった。エリア別では、全てのエリアが上昇し、東京都下以外のエリアは平均価格とm2単価共に2桁の上昇となっている。

[即日完売など]即日完売物件は1物件・10戸(シェア0.6%)。フラット35登録物件戸数は1368戸(同82.3%)。

[販売在庫の状況]6月末時点の在庫は5418戸で、前月末の5459戸に比べ41戸減少している。

[7月の発売予測]3000戸前後の発売を見込んでいる。

《近畿圏・6月》
[発売戸数]1030戸(前年同月比25.6%減)。7か月ぶりに前年実績を下回った。エリア別では◇大阪市部342戸(同51.7%減)◇大阪府下129戸(同39.4%減)◇神戸市部295戸(同391.7%増)◇兵庫県下45戸(同62.2%減)◇京都市部162戸(同29.6%増)◇京都府下5戸(同37.5%減)◇奈良県2戸(同81.8%減)◇滋賀県50戸(同63.5%減)◇和歌山県0戸(前年同月3戸)。

[契約率]初月契約率は75.3%。前年同月比0.3Pダウン。3か月ぶりに好調ラインの70%を上回った。

[価格の動向]
◇戸当たり平均価格5629万円(前年同月比32.1%上昇)
◇m2単価108.0万円(同35.2%上昇)。
平均価格は2か月連続、m2単価は8か月連続のアップ。平均価格とm2単価は共に大幅上昇し、6月としては、1973年の調査開始以来の最高値を更新。

[販売在庫の状況]6月末時点の在庫は2651戸で前月末比45戸の減少。

[7月の発売予測]1000戸程度となる見通し。

〔URL〕https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/595/s2024-16.pdf (首都圏・上半期)
〔URL〕https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/594/k2024-16.pdf (近畿圏・上半期)
〔URL〕https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/597/t2S63jgx.pdf (首都圏・6月)
〔URL〕https://www.fudousankeizai.co.jp/share/mansion/596/n9wac4g5.pdf (近畿圏・6月)