住団連、7月度「経営者の住宅景況感調査」
(一社)住宅生産団体連合会がまとめた今年7月度の「経営者の住宅景況感調査」によると、平成27年度度第1四半期(4~6月期)実績の景況判断指数は、前年同期比で総受注戸数プラス47P・総受注金額プラス53Pと、受注戸数・受注金額ともに3四半期連続で大幅なプラスとなった。この実績へのコメントでは、「新築をリフォームがカバー」、「反動減からの回復、自社の各種施策効果が出てきた」、「昨年比では増加傾向だが、増税前には戻らない」など、全体的に回復基調が明確だが、まだ本格的な回復とは言えないといったコメントが多く見られた。
平成27年度第2四半期(7~9月期)見通しの景況判断指数は、総受注戸数プラス57P・総受注金額プラス60Pと、受注戸数・受注金額ともに、プラスが継続・拡大する見通しとなった(前4月度の総受注戸数プラス50・総受注金額プラス56)。この見通しへのコメントでは「前四半期に続き消費税増税以降の反動減の底打ち感があり、市況は徐々に回復している模様」、「昨年の消費税増税後の反動減として回復」、「もうしばらくこの傾向が続くと考えられるが徐々に回復に向かう」など、回復基調が継続しているといったコメントが多く、今後更なる回復が期待される。
〈戸建注文住宅の7~9月期見通し〉
受注戸数プラス56P・受注金額プラス59Pと、戸数・金額ともにプラスが継続・拡大する見通し(前4月度の受注戸数プラス56・受注金額プラス60)。コメントでは、「大きな回復は期待できない」、「増税前には戻らず、しばらく横ばいの見込み」、「10%減少予想」という悲観論も散見されたが「前四半期から市況は回復の兆しが見られ、前年度のハードルも低いことから大幅プラスとなる見込み」、「展示場記名、敷地調査などの先行指標は徐々に上向いてきている」、「新しい商品や技術要素等の投入により、成長期待」など、前年の反動減との対比でもあり、回答企業のほとんどが5%以上良くなりそうと回答し、受注拡大に向けたコメントが多い。
〈戸建分譲住宅の7~9月期見通し〉
受注戸数・受注金額ともにプラス46Pと、プラスが継続する見通し(前1月度=受注戸数・受注金額ともにプラス18)。コメントでは、「消費税増税の反動は依然としてあるが、政府の負担軽減策、住宅ローンの低金利、株価の上昇等のプラス要素が多くなっていることから、前向きに検討を始めるお客様が増えてくると考える」、「在庫物件の回転や新規案件により伸長を維持」、「引き続き、安定的に分譲物件を確保し販売に努める」など、受注拡大に向けた前向きな声が多く、全体的な指数としてもプラスが継続する見通しだ。
<低層賃貸住宅の7~9月期見通し>
受注戸数・受注金額ともにプラス54Pと、戸数・金額ともに好調にプラスが継続する見通し(前4月度=受注戸数プラス50・受注金額プラス54)。コメントでは、「景況感良く、投資意欲が高水準で推移する予定」、「引き続き相続対策としての賃貸住宅建設を訴求していく」、「空き家の固定資産税軽減解除と相続税対策が引き続き需要を底堅く牽引する見込み」など、相続税対策としての投資需要、低金利の継続などを背景とした景況感が良く、大幅なプラスが継続する見通し。
〈リフォームの7~9月期見通し〉
受注金額がプラス60Pと、プラスが継続する見通し(前4月度の受注金額プラス64)。コメントでは、「現状の勢いを維持」、「単価アップの商材無く、横ばいの見通し」、「特別な増加は見込めない」としながらも「景気上昇機運のなか、中・高年齢者の高額リフォームの案件が増加傾向。省エネ製品設備機器の採用等単価アップとともに10%以上の上昇が期待される」、「昨年の消費税増税後の反動減と比較して回復」、「前年度のハードルが低いため、前年比はプラスとなる」など、前向きな声が多く、プラスが継続・拡大する見通し。
〈新設住宅着工戸数の予測〉
平成27年度の新設住宅着工戸数の予測(回答16社の予測平均値)は総戸数89.6万戸(前4月度調査88.9万戸)と、前回調査に比べ増加を見込む。
[利用関係別の内訳]◇持家=29.0万戸(前4月度29.5万戸)◇分譲住宅=24.3万戸(同23.6万戸)◇賃貸住宅=35.3万戸(同34.7万戸)。
〔URL〕http://www.judanren.or.jp/proposal-activity/chosa/report01/201507/index.html
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