平成29年新年賀会を開催―会員、来賓など1,100 名で新年を祝う―
当協会は1月10日(火)にホテルニューオータニにおいて「平成29年新年賀会」を開催した。冒頭の神山会長の挨拶に続き、石井国土交通大臣など多数の来賓の方々より祝辞をいただいた(以下に神山会長挨拶並びに石井国土交通大臣祝辞要旨を掲載)。当日は、国会議員、官公庁、友好団体関係者、当協会会員など約1,100名が参加し、新年を祝った。
[神山会長挨拶]
新年あけましておめでとうございます。
本日は、国会議員の先生方が多数お見えです。また、国土交通省の幹部の皆様、友好団体の皆様、そして会員の皆様方に沢山お集まりいただきました。ありがとうございます。
昨日、全国各地で成人式が行われ、123万人の新成人が誕生したそうです。各年齢の人口が123万人と仮定して平均寿命80才を乗じた場合、9,840万人となり、日本の人口が将来1億人を切るということになります。少子高齢化以前に、日本の人口が減少傾向にあることに憂慮せざるを得ません。
現在、住宅着工戸数は非常に堅調であると言われていますが、マンション業界は大変苦戦しています。相続税対策の貸家は非常に好調のようですが、分譲マンションは低調で供給も需要もかなり渋い状況です。労務費の横ばい、資材費の横ばいに加え、事業用地の仕入れがかなり厳しくなっています。
我々事業者としては、当然のことでありますが、「お客様ファースト」「国民ファースト」が大切であると考えています。消費税率の引上げが2年半延長になりましたので、この期間にぜひ住宅と消費税のあり方について再度検討していただきたいと思います。また、来年度は固定資産税の評価替えの年に当たります。国民にこれ以上の負担を強いるということではなく、前向きな御配慮をいただき、適切な施策を講じていただきたいと存じます。
また、空き家の問題ですが、国土交通省では空き家への入居者に対する家賃の補助や受け入れる住宅の所有者に対する改修費用として最大100万円の補助等、色々な施策を準備していただいております。ただ、本当の空き家の問題がどこにあるかというと、マンションの空き家です。マンションの各住戸の所有者がいない、居住者がいないということが続くと管理費が入らなくなり、エレベーターが止まってしまったり、共有部分の電気が消えてしまうことにもなりかねません。そうしますと一気にマンションのスラム化が進む可能性がありますから、我々事業者としては真剣に取り組まねばならないと考えています。
解決法は非常に難しいですが、例えばリバースモーゲージの活性化が挙げられるのではないでしょうか。亡くなった方がいたら所有者を確定させて建て替える方向に繋げていくというのも一つの選択肢だと思います。また、建替えを推進するために容積率のボーナスをご検討いただきたいと思います。
日本経済活性化のために、あるいは都市インフラのために無電柱化法案が成立しました。あとは費用の問題だけでしょうが、この件については小池都知事も積極的ですから、2020年のオリンピックまでには少なくとも東京だけは無電柱化を進めていただきたいと期待しています。他方、2022年問題として生産緑地の指定後30年を迎え、期限切れとなります。全国で約14,000haの農地があるそうですが、これが一気に市場に出た場合、マーケットが大きく混乱する恐れがあります。我々は今から準備しておかねばなりませんし、それに対する施策をお願いしたいと存じます。
2025年の大阪万博招致構想やカジノ法案の成立等色々明るい展望がある一方、非常に真剣に検討しなければならない問題も抱えているのが、我々の業界、日本経済であろうと思います。ぜひ、今年も色々なことを提言してまいりますので、ご指導ご協力をお願い申し上げたいと存じます。最後に、今年一年間皆様のご健勝と事業のご発展を祈念いたしまして挨拶に代えさせていただきます。
[石井国土交通大臣祝辞]
皆様新年おめでとうございます。
神山会長始め皆様には日頃から国土交通行政、特に住宅・建築行政へのご理解・ご協力を賜っておりますことを、この場をお借りいたしまして、心から御礼を申し上げます。
言うまでもなく、住宅は国民生活を支える基盤でありますとともに、住宅投資は内需の柱でございますので、経済成長を支えるためには住宅投資を促進することが重要です。このため、建築物の耐震性を満たさない住宅の建て替え、あるいは古いストックの更新、リフォームの推進、こういったことで、質の向上に向けた住宅政策を推進していきたいと思っております。
来年度の税制改正におきましては、皆様の力強いご支援を賜りまして、長期優良住宅のリフォームを行う場合の特例措置の拡充ですとか、住宅用家屋についての登録免許税の軽減措置の延長などを勝ち取ることができたところでございます。
また、今後の人口減少社会の進展に伴い、空き家が増えていくということが、大変大きな課題でございます。こういった空き家については基本的に利用できるものは利用し、また除却しないといけないものは除却していく、こういう方針で進めていきたいと思いますが、平成27年5月に全面施行されました空家特措法を活用いたしまして、市町村による空き家の計画的な利用、解体の取り組みを積極的に支援するとともに住宅としての流通の促進にも取り組んでまいりたいと思います。
また、無電柱化の法律については、神山会長が率先して多くの署名を集めていただくなど、この法律の成立に大きなご支援をいただきました。これは国土交通省所管でございますので、積極的に我々も取り組んでいきたいと思います。これは費用が大きくかかることが課題ですので、直接電線類等を埋設したり、簡易な小型のボックス等々、コストダウンのための色々な検討、研究を進めております。
今後とも、国土交通省といたしましては、国民一人ひとりが真に豊かさを実感でき、安全・安心で魅力ある住生活を実現できるよう、昨年の3月に閣議決定をいたしました新たな住生活基本計画に位置づけられた施策をしっかりと進めてまいりたいと存じますので、皆様のご理解とご協力をお願いしたいと思います。
また、一つお願いがございます。現在、2025年の関西・大阪での万博を目指し、立候補に向けた動きを官民で加速していきたいと考えています。ぜひ、皆様方におかれましても、万博誘致へのご支持とご理解を賜りたいと存じます。
結びでございますが、本年一年、協会のますますのご発展、ご参加の皆様のご健勝、ご多幸をお祈り申し上げまして、簡単でございますがご挨拶とさせていただきます。