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平成30年新年賀会を開催―会員、来賓など1,000 名で新年を祝う―

 当協会は1月9日(火)にホテルニューオータニにおいて「平成30年新年賀会」を開催した。冒頭の神山会長の挨拶に続き、石井国土交通大臣など多数の来賓の方々より祝辞をいただいた(以下に神山会長挨拶並びに石井国土交通大臣祝辞要旨を掲載)。当日は、国会議員、官公庁、友好団体関係者、当協会会員など約1,000名が参加し、新年を祝った。

[神山会長挨拶]
 あけましておめでとうございます。本日は、石井国土交通大臣を始め多数の国会議員の先生方、また、国土交通省、友好団体の皆様、全住協の会員の皆様にも大勢出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 さて、住宅産業、不動産業には多くの課題がございますが、そのうち2、3の問題について述べたいと思います。
 まず、平成30年度税制改正につきましては、先生方のご尽力によりまして我々が要望した税制措置がほぼ100%実現することとなりました。感謝申し上げます。
 ただ、消費税をめぐる問題は先送りになっています。このことは、将来消費税率が10%、さらにはそれより大きい税率に上がっていくことを想定すると看過できない問題であり、業界全体として住宅関係税制のあり方について継続して提言・要望を行っていくべきものと考えます。
 次に土地にまつわる問題ですが、生産緑地が指定されてから30年が経過し大量の農地が一度に宅地化するおそれがあるという、いわゆる2022年問題につきましては、昨年の関係法令の改正と年末の税制改正により生産緑地制度が引き続き存続することとなり、いい方向に進んでいくであろうと期待しております。
 一方で、空き地・空き家の問題が今後さらに大きくなっていくと懸念されます。民間有識者の研究会の試算によれば、このままだと2040年には北海道の面積に近い土地が所有者不明になる可能性があるとのことです。それによる経済損失額は累計で6兆円にも及ぶそうです。
 日本が武家社会に移行する時期に「一所懸命」という言葉がありました。まさに土地を守るのに命を懸けた時代があったわけです。それが現在では、土地は要らない、相続の登記はしないという人が増えています。土地にしても建物にしても、資産なのか負の財産なのか、個々人にとっては悩ましい問題となることがあるのは事実です。しかしながら、国家としては土地の領有問題は戦争にまで発展しかねない深刻な問題ですし、国民が生活する上で土地は不可欠の要素であります。
 この空き地・空き家の問題を解決する上で大きな役割を果たすのはやはり税制です。特に固定資産税のあり方について抜本的検討をするべき岐路に立っていると思います。国会議員の先生方、政府の方々にしっかりご検討いただいて、所有者不明土地のない日本にしていただきたいと思います。
 以上、思うことをいくつか申し上げましたが、今年も色々なことで皆様にお世話になると思います。ご指導、ご鞭撻をお願い申し上げますとともに、ご参会の皆様のご健勝を祈念申し上げまして挨拶に代えさせていただきます。

[石井国土交通大臣祝辞]
 皆様、新年おめでとうございます。平成30年の年頭に当たりまして謹んで新春のご挨拶を申し上げます。住宅は、言うまでもなく国民生活を支える基盤であり、その果たす役割は極めて重要であります。少子高齢化や空き家のさらなる増加が見込まれる中、人生100年時代や女性、高齢者を始めとする一億総活躍社会を見据えまして様々な居住ニーズ、ライフステージに対応いたしました質の高い住まいを提供していくことが求められております。
 また、住宅土地は経済波及効果が大きく内需を牽引し持続的な経済成長を図っていく上でも大きな役割がございます。このため、耐震性能確保はもとより、省エネ性能に優れた住宅の普及に取り組むなど新築住宅、既存住宅を問わず住宅そのものの価値の向上を図る取組みを推進することが重要であります。このためには魅力的なまちづくりをしていくことも求められます。
 さらに既存住宅の流通促進のため、消費者が安心して購入できる物件に対し、標章の付与を行います「安心R住宅制度」の事業者団体の登録を昨年12月から開始しております。この制度により、従来の既存住宅のイメージを払拭して消費者が住みたい・買いたいと思う既存住宅の流通促進を図ってまいります。こうした流れを税制面からも強力に後押しするために平成30年度の税制改正におきましては、皆様の力強いご支援を賜りまして、買取再販で扱われる住宅の取得等に係る不動産取得税の特例措置の敷地への拡充などを講じることとしております。
 全住協の皆様は地域の工務店や不動産流通事業者を始め、国民生活に密着した幅広い業務を担っておられます。今後とも国民一人一人が真に豊かさを実感でき、安全安心で実り溢れる住生活を実現できるよう、暮らしに欠かせない住宅市場の活性化に積極的に取り組んでまいりますので、皆さんのご理解とご協力を心からお願い申し上げたいと存じます。
 加えてのお願いですが、2025年大阪、関西での万博開催を目指し立候補を表明しております。皆様におかれましても、ぜひ万博誘致へのご支持ご協力をお願いいたします。
 結びではございますが、協会のますますのご発展とご出席の皆様のご健勝とご多幸を祈念いたしまして私の挨拶とさせていただきます。